当社は、マンションをはじめ、商業施設やオフィスビルなどの開発・運営を通じて、未来に向けて環境保全を推進する取り組みに力を入れています。
今回は、一例としてマンション開発におけるZEH(ゼッチ) を紹介します。
※ZEHとは Net Zero Energy Houseの略。断熱性能の向上や高効率設備の導入、再生可能エネルギーの追加により、エネルギー収支をゼロ以下にする家を指す。共同住宅(マンション)の場合はZEH-Mと呼ぶ。
INDEX
CO2排出量削減に向けた、住宅の新しい役割
近年、家庭からのエネルギー消費が増加傾向にあることをご存じでしょうか。産業部門での消費削減が進む一方で、家庭部門が全体のCO2排出量において占める割合は決して小さくありません。この現状に向き合い、阪急阪神不動産では、2024年4月以降に販売・賃貸の募集を開始した全ての新築分譲マンション〈ジオ〉や新築賃貸マンション〈ジオエント〉を、ZEH-M Oriented※以上の基準を満たすものとして提供することを、2022年に発表しました。また、戸建住宅〈ジオガーデン〉についても2030年度には原則すべてZEH仕様にする計画を進めています。
これらの取り組みは、省エネによるCO2排出量削減を実現し、SDGs目標への貢献を目指すものです。しかし、それだけではありません。私たちが目指しているのは、単なる「義務」ではなく、未来の暮らしをより良いものにするための「責任ある選択」。脱炭素社会の実現に向けた挑戦は、これからの住まいづくりに欠かせない視点です。
※ ZEH-M Oriented: 共用部を含むマンション全体の一次エネルギー消費量を20%以上削減(平成28年の省エネ基準で定められた 「暖房」「冷房」「換気」「照明」「給湯」の基準一次エネルギー消費量との比較)したマンション。
暮らしを変えるZEHの価値
ZEH化された住まいは、断熱性能の向上によって室内温度の安定を実現し、ヒートショックや結露といったリスクを軽減します。また、省エネはエネルギー資源の乏しい日本にとって、経済的・環境的に大きな価値をもたらします。
未来を見据えた住まいづくりにおいて、住まい手にその価値をどのように伝え、共有していくかが重要なテーマとなっています。近年では、小・中学校の教育現場においてもSDGsが取り入れられており、次世代の住宅購入者が環境性能の高い住まいを選ぶことが一般的になると予想されています。
こうした変化を見据え、環境に配慮した商品やサービスがどのように提供されるべきか、またそれがどのように生活者の未来に寄与するのかを考えることが、今後の住まいづくりにおいて必要不可欠だと捉えています。
ジオ彩都いろどりの丘:〈ジオ〉初のZEHマンション
「ジオ彩都いろどりの丘(1工区)」が、令和6年度「おおさか環境にやさしい建築賞」住宅部門を受賞しています。この賞は、「大阪府気候変動対策の推進に関する条例」および「大阪市建築物の環境配慮に関する条例」に基づき、環境配慮の模範となる建築物を表彰するものです。環境に配慮した建築物の普及促進と、府民の意識啓発を目的としており、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一環とされています。
当社では、〈ジオ〉ブランド初となるZEHマンション「ジオ彩都いろどりの丘」を開発・分譲しています。このマンションは、環境配慮型の住まいとして、多くのお客さまから高い評価をいただいています。購入時のアンケートでは、約38%の方が「ZEHであること」を購入の決め手の一つに挙げており、具体的な理由としては、「年間光熱費の削減」や「断熱性能への期待」といった実用性に加え、「環境に優しいカーボンニュートラルへの取り組み」や「自然環境との調和」に共感する声も寄せられました。
「ジオ彩都いろどりの丘」は、高い断熱性能により室内温度の安定を実現し、快適な住環境を提供しています。さらに、先進的な省エネ技術を取り入れることで、日々の光熱費を抑えながら、家計にも環境にも優しい暮らしを実現します。このような取り組みは、当社が目指す「未来の暮らしをより良いものにする責任ある選択」の一例です。
次世代に誇れる住まいづくり
私たちは、単なる「環境配慮」だけに留まらず、より価値の高い住まいづくりを目指して挑戦を続けています。たとえば、他社との共同開発を通じて、さらなる省エネ技術を実現する仕組みを模索し、よりサステナブルな住まいの提供を目指しています。また、彩都の豊かな自然環境と調和した設計により、都市部では得られない心地よい暮らしを提供すること目指しています。
私たちが提供するZEHマンションは、単なる住まいではありません。そこには、未来の地球を見据えた「住むこと」への新しい価値が詰まっています。
今後も、環境保全の取り組みを通じた豊かな住まいづくりの事例をご紹介していきます。